林野庁の雑誌掲載と「八代仙岩屋跡」の秘話

林野庁が発行している雑誌「林道 6.7号」に八代仙(はったいせん)岩屋跡のことが記事で紹介されました。富山県 高岡農林振興センター 森田副主幹が現地調査に来られ私が案内しました。林道氷北線の特徴を紹介する記事です。

(八代環境パトロール隊 事務局長 浅井世明)

<裏話>八代仙岩屋跡の歩道開設・看板設置

なぜ、八代環境パトロール隊が八代仙岩屋跡の歩道を開設し、看板を設置したのか。その経緯を紹介したい。

そもそも八代仙岩屋とは、北陸の山岳信仰の拠点である石動山(石川県中能登町)の信者の修業の場だった。石動山は中世の最盛期には院坊360余り、衆徒約3,000人の規模を誇ったとされる。その修行の場が八代にあったことは実はすごいことなのだが、残念ながら明治時代に起きた地震で岩屋は崩落してしまう。そのため、現在では岩屋の存在を知る人はほとんどいない。

ところが、森杉隊長は数十年前に岩屋の跡地に行ったことがあるという。

地域の番人の第6話「村史」は八代のさまざまな歴史を紹介する回。そこで八代仙の岩屋の跡地をぜひ紹介したい。だが、跡地は人里離れた山奥にあり、近づくことすらできない。結局、森杉隊長の案内のもとに遠くから「跡地らしき場所」を撮影するだけにとどまった。とても残念だった。

その数ヶ月後、事務局長の浅井氏から驚きの連絡があった。険しい山道を重機で切り開いて、岩屋跡までの歩道(400メートル)を自力で開設したというのだ。

その理由がまた驚き。例年、八代環境パトロール隊はNPO法人NICEの若者を迎えて、春と秋に交流イベントを開催しているのだが、若者たちに岩屋跡を見てもらいたくて道を作ったのだと言う。行動力すごすぎ(笑)

このイベントの様子は地域の番人の最終話でほんの少し見ることができるので、ぜひご覧いただきたい。ロープ一本で崖を降りるなど、都会では経験できない刺激的なものになっている。撮影も大変だった。てか、ほとんどまともに撮れていない。

ちなみにこの半年後、八代環境パトロール隊はNICEの若者たちの協力のもと、八代仙岩屋跡の入り口に看板を設置する。それが以下の写真。

八代仙岩屋跡には実はこのようなドラマがあったのだ。

(地域の番人 監督 巻島大樹)

2019年5月4日 NICEと八代環境パトロール隊 「八代仙岩屋口」看板設置 

『地域の番人』公式サイト

富山県氷見市の山間部にある八代地域。 人口500人の集落を存続させるべく、高齢者グループ「八代環境パトロール隊」は日夜奮闘している。 八代の四季。後継者問題。集落存続。

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